家電量販店「ケーズデンキ」を運営するケーズホールディングスは9日午後に9月中間期連結決算を発表。
売上高が前年同期比8.1%増の2,994億6,600万円、営業利益が同67.7%増の78億7,500万円と大幅な増益。http://bit.ly/3MdUrY
店舗数は、九条烏丸店(京都府)など6店舗を出店、3店舗を撤収したことで、162店舗になっています。
また本社を構える日本橋地区の売上げ構成比率は5%で、減少傾向にあるものの、玩具など非家電製品の販売ウェイトが高まっていると話していました。
◆主な商品別の売上高と構成比は次の通りです。
カラーテレビ 228億9700万円(13.4%)、ビデオ・関連商品10,5億2200万円(6.2%)、オーディオ・関連商品45億2800万円(2.7%)、冷蔵庫92億2000万円(5.4%)、洗濯機・クリーナー90億2700万円(5.3%)、電子レンジ・調理器具57億7300万円(3.4%)、理美容・健康器具47億円(2.8%)、照明器具12億8500万円(0.7%)、エアコン169億200万円(9.9%)、暖房機6800万円(0.0%)。
パソコン166億5300万円(9.8%)、パソコン周辺機器99億4100万円(5.8%)、パソコンソフト10億7100万円(0.6%)、パソコン関連商品82億7500万円(4.9%)、電子文具・ワープロ10億6400万円(0.6%)、電話機・ファクシミリ13億5600万円(0.8%)、携帯電話・PHS42億9000(2.5%)。
音楽・映像ソフト25億4700万円(1.5%)、ゲーム・模型・玩具・楽器154億3800万円(9.1%)。
◆今後の業績見通しは、08年5月12日の決算発表時に発表した数字と変わらず、売上高を50億円増額の3580億円に上方修正しています。
営業利益は75億円(同12.5%増)、経常利益71億円(同12.0%増)、当期純利益41億円(同増10.5%増)と見ています。
また「経営環境は厳しい状況が継続することが予想さる」として、下期は6店舗の出店を予定し、08年10月1日付けで営業本部副本部長を設けているほか、営業力の強化を図っています。
業界関係者の話によりますと、売上げ増伸に貢献しているひとつが、会員顧客などへDMなどで案内するお買い得商品など、低価格で提供する商品の販売で、これが来店を増やしているといいます。
これによって全体の売上げアップにも寄与している模様です。
同社の売上げの75%は関西地区で稼いでいます。関西での占有率も約24%と言われており、関西家電量販店のキングの座は依然として死守しているようです。
ただ日本橋における同社の売上げ構成比は年々減少しており、ある業界紙記者は「今、日本橋での売上げは、全社の5%程度じゃないでしょうか」と話しています。
日本橋地区での大型店舗の出店計画も頓挫している今、同社の日本橋での売上げはさらに減少していくように思われます。
本社と本店を置く日本橋地区の売上げの構成比は総売上の約6%の約190億円で、ピーク時の21%からは大幅に減少していることが明らかになりました。
ただ構成比の減少は郊外店舗の数が増えたほか、全体の売上額が拡大していることも原因しているようです。
商品別では、薄型大型テレビや任天堂の据置型ゲーム機「Wii(ウィー)」が好調なゲーム・玩具などの伸びが目立っていました。
一方でパソコンやDVDは単価ダウンが激しく、とりわけパソコンの売上げは前期比14.7%減でした。
◆また買収防衛策の導入を6月22日開催予定の株主総会に諮ることを決めています。これによって同社が「唯一の関西資本の上場企業」を維持し、独自路線を歩む方針を示したことになります。
◆ただ同日にはヤマダ電機が、マツヤデンキ(大阪市)、星電社(神戸市)、サトームセン(東京都)を傘下に持つ持ち株会社「ぷれっそホールディングス(HD)」(東京都)の全株を取得し、子会社化すると発表しており、家電流通業界は超大型会社の時代に入ってきています。
それだけに業績が好調な上新電機も独自路線をいつまで保てるかは、きわめて不透明な部分が多いのではないでしょうか。

経常利益では、コジマなど5社が減益でしたが、最大手のヤマダ電機が期初予想の利益を確保しました。ギガスケーズデンキも、子会社のギガス、関西ケーズデンキの黒字転換で43%の増益でした。
2位のエディオンは13%の減益でした。関西地方の競合激化などで傘下のミドリ電化の収益悪化が原因。
コジマは連結経常利益が22億円(前年同期比31%減)。期初予想は12%増益でしたが、PCとエアコンの不振が原因しました。売り場面積が8%増えましたが、PC本体の販売額は12%減少しました。
売り場面積は、ヤマダが5000平方m超のテックランド札幌月寒店(札幌市)など17店舗をオープン。エディオンは同約8000平方mのエイデン豊田本店(愛知県豊田市)など玩具なども扱う複合店舗を出店。
一方、コジマは3000平方m、上新は2500平方m前後を標準面積とする出店戦略を展開しています。