日本最大の刈谷少年発明クラブを見学、でんでんタウン電子工作教室スタッフ
2008年 09月 11日
全国に150ほどある発明クラブの中で最初に誕生したという刈谷少年発明クラブは、豊田系企業9社が出資して設立されたといいます。
現在、管理運営は財団法人豊田理化学研究所が行っているそうです。
主に刈谷市内の小学2年生から中学3年生を対象に、「科学技術に関する興味や関心を持たせ、創作活動を通じてアイデアを実現する喜びを体験させ、創造性を豊かにする」ことを目的に、木工を主体に、一部、電子工作も行われています。
今は約700人の子供たちが在籍しているといい、日本トップクラスの発明クラブであり、工作教室なのです。
修了生の中には、トヨタをはじめ関連企業で働く人も少なくないようです。
今回、日本橋でんでんタウン電子工作教室のスタッフが訪問したねらいは、電子工作に偏っている現在の教室内容の拡充にあり、それの情報収集を行うためでした。
スタッフの1人、吉谷達嗣さんは「電子工作の内容を高めるには、木工を取り入れることで、もの作りの基礎を学んでもらう必要があります」と話していました。
◆まず桑門会長の案内で、トヨタグループ創設の祖である豊田佐吉翁の思想を書いたパネルや1890(明治23)年に開発された豊田式木製人力織機の模型、発明教室での作品や教材などが展示してある「とよたさきちのへや」を見学したあと、生徒たちが工作に取り組む教室を見て回りました。
教室はいずれも整理整頓されており、部品保管室も一品ずつ品名と数量が書かれて丁寧に保管され、まるで企業の工場を見る思いでした。
クラブにはジュニア・マイスター(J・M)コースと自由工作コース、OMコースがあります。
開設されて34年経っており、今までここで勉強した子供たちは延べ30数万人にもなるそうです。
毎年、約150人ほどが加入(費用は1コース年間3000円)してきますが、そのほとんどが刈谷市内の小中学生ですが、かつては県外からもやって来る子供たちもいたそうです。
これも民間企業による財団法人が運営しているからのようです。
◆学校の授業と最も違う点は「物を作る楽しさを体験することを一番に考えており、作って遊ぶんで楽しむことを大事にしている点です」だといいます。
また「工作に要する時間も子供の技量にあわせている」といい、決まった時間に作って終わりですといった内容ではないのが特徴のようです。
同クラブでは1人年間、1コース3000円の参加費を取っています。それに発明協会や教育員会、出資企業などからの要請に応じて出前授業も実施しているようです。
そこで工作教室のビジネス化の可能性について聞いてみました。
これに桑門会長は「難しいと思います。ショー的なものにするなど、何か工夫が必要でしょうね。また科学塾として分野と地域を限定して行うならば可能性もあるかもしれない」と答えてくれました。
また桑門会長は、これから発明クラブを「若い先生を作っていきたいです。旋盤やフライス盤が使えるような教室も作ってみたい」と話していました。