事業の多様化みせる設立4年目の「日本橋まちづくり振興」会社 日本橋を楽しむマニュアルづくりへ
2006年 08月 09日
◆日本橋を1時間で遊ぶマニュアル
開設が予定されている街の案内所は日本橋4丁目のロボット専門店の「ロボットファクトリー」(4月に移転している)の店舗跡。電気街の店舗や商品情報を提供するスポットで、販売店を紹介するパネルやパンフレット、地図などを常備することにしている。
同時にインターネットでは販売店からの案内やお買い得商品、行政からのお知らせといった情報も提供する計画だ。
「アニメ関連のこんな商品はどこの店で売っているの?」といった問い合わせにも、すぐに応えられるようにしたいという。
「1時間とか3時間の限られた中で電気街で遊ぶ方法を提案してみたり、アニメユーザー、ロボットユーザーといった具合に目的別、さらには小学生向けなど年代別に遊び方を示す”おもしろマニュアル”も喜ばれるだろう。旅行会社とタイアップするのもいいかもしれない」(澤田社長)
案内所開設と併せて同社は、ホームページの開設とフリーペーパーの発行を計画している。
そこでは地図情報やおもしろ商品の紹介、同一商品の価格比較など、見る人に役立つさまざまなコンテンツを盛り込みたい、と検討が進められている。
「電器店、一般店など業種や業態にしばられない日本橋全体の街情報を発信するように努めたい」と澤田社長。
◆ロボットマップ発行へ
澤田社長はまた、「来街者が一番求めている情報は地図だろう」という。
どこにどんな店舗があって、目的の場所に行く道順は-。多くの人たちが、こうした地図情報を必要としている。
同社はこのほど、今まで「でんでんタウン協栄会」などが年に1、2回発行してきた「でんでんタウンとくとくマップ」の発行権を譲り受けた。
今後、年間4回程度に発行回数を増やすほか、地図に掲載する広告で収益を確保していくとしている。
そうした地図情報を生かして9月に新たに発行するのが、日本橋にあるロボットとその関連商品を販売する店舗の情報と地図を掲載する予定の「ロボットマップ」だ。
日本橋まちづくり振興は設立当初から、日本橋にロボット産業を誘致しよう-という目標を掲げて事業展開してきた。
その呼び水となったのが、同社が自ら経営する形でスタートした「ロボットファクトリー」(現在はでんでんタウン協栄会の加盟店に経営委譲)であった。
これに続けとばかりに数店舗がロボットの販売を始めるようになっている。ロボットマップでは、そうしたロボット販売店と関連部品などを販売する店舗などを加えて、計8店舗の位置と各店の特徴、扱い商品などの情報を掲載するとしている。
◆安心して買物ができる街づくり
ロボットと並んでもうひとつの日本橋にとっての大きな素材はアニメだろう。同社は電気街の中にあるビル「日本橋CGアニメ村」を開設している。
すでにアニメ制作会社4社と個人アニメーター2人が入居しており、ここをCGアニメ制作の拠点として発展させると計画している。
同アニメ村には同社によって事務局も設けられており、対外的な交渉窓口として活動を始めている。
今年後半に向けては同社(日本橋CGアニメ村)が中心になって、「日本橋CGアニメ祭」(仮称)の開催や、電気街の店舗に限定したCGアニメ制作ソフトの販売、CGアニメ制作教室の開催などを計画している。
安心して買物ができる街づくりも日本橋にとっては大きなテーマだ。
そのひとつに「来年には実現させたい」(澤田社長)としている日本橋3丁目南の歩道橋撤去プロジェクトだ。
この歩道橋は、長く防犯の妨げになったり街の分断になっていると言われてきた。大阪市などへ撤去を働きかけているが、来年の撤去を目指している。
また狭い歩道も買い物客の通行には支障になっている。これについても、澤田社長は「歩道橋撤去問題が片付いた後、電柱の地中化に伴って拡幅工事を実現させたい」と話していた。